ある少年の希望 3

ヤマヨモギを刈って積み上げ、川から水を運び、野菜 種やジャガイモや残飯を集めたりということで、ほとんど寝るひまもないほどでした。


しかしくたくたになるまで働いて作ったこの調合飼料も、どうにか豚の命をつなぐのが精一杯でした。


それに、はねもののジャガイモにも量に限りがありました。


そこで、スープに大麦を加えてみましたが、量は充分とはいかず、豚は衰えるいっぽうでした。


肥えた豚に需要がないとしたら、痩せた豚など一文の値打ちもないでしょう。


何かもっとよい蛋白源を考えなければならなかったのです。


農場でこれまで経験した食糧危機の時と同じように、彼の手は本能的に42~30式レミントン・ライフルに伸びました。


しかし、今回はカモやウサギを撃つわけではなかったのです。


丘のふもとや川のほとりには、数千頭にのぼる野生の馬の大群が駆回っていました。


馬は足が速く巧みに逃回りますが、小型トラックなら追いつめることができました。

ある少年の希望 2

寒い2月の午後、飢えて骨と皮ばかりに痩せた豚が静かに大虐殺され、ジャックはとぼとぼ父親の牧場にこっそり帰っていくことになるだろう、とまわりの農家の人びとはうわさしていました。


しかし少年は熱心に仕事に取りかかり、父親の家の裏庭に豚小屋を建て、餌箱を作りました。


彼は餌にはまったく金をかけない計画でした。


地元の農家で出る廃物でこってりした煮こみをたっぷり作るつもりでした。


必ずしも上々の計画とはいえないが、それでも養豚業の船出としてはまずまずのものでした。


彼は、古い鉄鍋を伸ばした厚い鉄板を利用して、長さ16フィート、幅4フィートの鍋をつくりあげ、下の方にかまどを取付け、上には高さ10フィートの煙突をつけました。


燃料にはヤマヨモギの大束と古タイヤを集めました。


そして、彼はがつがつと餌を欲しがる豚の飼料を探しに小型トラックで出かけました。


手始めに、屑イモ、つまりこのあたりの農家では売物にならないジャガイモを干し草やあり合わせの野菜といっしょに川の水で煮こんで、黒っぽいスープを作りました。

ある少年の希望

1922年のアメリカで、ある少年が目をつけたのは豚の屠殺でした。


・・・それはアメリカの農業の歴史ではよくあることですが、生産物の価格が生産コストを割った時のエピソードの一つに関連があります。


たとえば、農家は始末に困った子豚を殺して一まとめに穴にほうり込んで埋めてしまうということがおこります。


シンプロット少年はこのような無駄に疑問を感じ、これを利用することを思いついたのです。


彼はそれらの豚を飼育しようと農家に申し出ました。


ある場合はただで、またある場合には羊でもうけた金から数ドルを払って、その年の12月にはおよそ700頭の豚を集めました。


父親は、そんなことはきちがいざただと言って、はじめはこの計画を手伝うことを断わりました。


干し草と多少の穀物があれば生きられる羊とはわけがちがいます。


これは豚なのです。


腹を空かした数百頭のけものが冬を越すには蛋白質や澱粉、炭水化物が必要です。


長年の経験があり、飼育場も経済力も揃った養豚農家が飼育をもて余しているのです。


それを十代の若者ひとりの手でできるものか?


たとえこの冬が越せて、売物になるほど太らせることができたとしても、その時には破産してしまっているでしょう。


豚肉が供給過剰であることは周知の事実です。

純粋な技術者

通常システム分析、OpenSSOシステム設計と呼ばれているシステム・アナリストの仕事・・・


これは、原理においては、工程設計や装置の設計においてこれまでの技術者のやってきたことと何ら変わりはないのです。


もちろん在庫管理のポイントは単なる発注業務ではなく、納入業者側、生産工程側のおこりうるあらゆる状況を考慮に入れて、生産しようと思ったら資材がないという状態の絶対におこらないように・・・


しかも倉庫に品物があふれていることもおこらないように、適正でもっとも経済的な管理を行なう熟練にあります。


これについては、ABC分析にはじまる、これまでに十分定式化された管理技術・予測技術があり、それを骨組にして、同様なシステム分析をくりかえせばよいわけです。


・・・こうした骨組をもったシステム・アナリストとプログラマーの作業が、「疎外の行為としての技術」の性格をもっとも純粋に結晶させて示すものなのです。


・・・それは人間のやっている作業を、機械論的な分析をとおして機械にうつしかえる作業なのであり、彼らは純粋にそのための技術者なのです。


これまで機械と労働者について書いてきた一切の特徴は、電子計算機化の中で、そのまま、より純粋に再現されます。


中国の政治 8

これほど単刀直入に経済建設優先の実利主義を叫ぶ社会主義国のリーダーは、かつていなかったのではないでしょうか。


しかし、経済建設を進めれば進めるほど多元化する価値観を、社会主義の一元的価値観で統率が可能なのでしょうか。


いま中国の多くの人はこういう言い方をしています。


「もし郡小平が亡くなれば、中国は毛沢東が亡くなった1976年以降、最大の試練を迎えるだろう。


郡小平は失敗もあったが、多くの改革を成し遂げた。


しかし、ただひとつ、後継者を選ぶ政治過程を透明にする改革だけは手をつけず、毛沢東時代の中国政治の伝統をそのまま残した」。


中国の政治 7

現代化を急ぐなかで、欧米からの武器の導入も一部進められています。


しかし、整備体制が追いつかないため、米軍情報によると、フランスから導入した「ドルフィン」やアメリカの「ブラックホーク」などのヘリコプターが相当数墜落しているといいます。


国家財政の赤字にかかわらず、天安門事件の後、国防予算だけは優遇され増額されていますが、軍現代化の優先順位は高いとはいえないのが実情です。


党の軍隊であると同時に、国家の軍隊でもある中国人民解放軍の位置づけを明確に納得させ、リーダーシップを発揮できるかどうかは、90年代の中国の安定を占うもうひとつの鍵になるでしょう。


中国共産党が1987年の第13回党大会で、方針として定めた党政分離や権限の下放、人事制度の改革など7項目の「政治改革」は、天安門事件もあって大幅な前進はありません。


しかし、国内情勢を見るかぎり一応の安定と団結を取り戻し、息をひそめていた改革派も郵小平氏の演出で再び蘇りつつあるように見えます。


中国は、天安門事件で失ったものをもう1度取り返せるのでしょうか。


江沢民総書記は、最近、


「経済がうまくいかないと、われわれは世界で発言力を持ちえないことになる。


中国では昔から『財大才能気粗』(カネがあってこそ気を吐ける)というではないか」


・・・という発言を繰り返しています。


中国の政治 6

中国を巻き込んだ大規模な世界大戦はありませんが、戦略兵力は依然として国の総合力の裏づけでしょう。


この判断から、"第二炮兵"と呼ばれる戦略ミサイル部隊や海軍筋のミサイル搭載原子力潜水艦、空軍の長距離世爆撃機など核兵器による威嚇を中心とした抑止力を整備し、中国への侵略を防止する。


これが第一でした。


アメリカ国防総省によれば、中国の核抑止力は、フランスとほぼ均衡するとされています。


もう一方の「積極防御戦略」というのは、敵を国土に引き込んでゲリラ戦術をとる「人民戦争」に代えて国境の水際で積極的に国土碗を防衛するというものです。


その背景には、中国への全面侵略は起きないですが、国境周辺での小規模軍事衝突は依然起こりうるとの情勢見積もりがあるのです。


そしてこうした「積極防御」を行うため、「快速反応戦力」と呼ぶ機動部隊を整備しようというものです。


1985年には総兵力の4分の1にあたる100万人の削減を断行して2つに分かれていた「大軍区」を7つに再編成。


歩兵の単科部隊だった「野戦軍」を歩兵・炮兵・戦車兵・防化学兵(対化学戦・核戦争兵種)・通信・航空などを総合した「集団軍」に模様替えしているのもこのためです。


ただ、武器装備は依然として50年代のソ連製兵器のコピーを脱し切っていないのが実情です。

ごみ問題への意識とマナー

こんにちは。


ごみ処理や清掃に対する関心のなさや公共モラルの低さがしばしば指摘されています。


わたしの周りではリサイクルトナーを利用する人も多く、リサイクルや環境問題にはかなり関心が高いのですが、残念ながら一般的には、まだまだごみを出すときのマナーがなっていないなどの問題も多いようですね。


また、道路、公園、河川敷等々の公共地では散在ごみが目につくのも否定できません。


清掃工場の建設と聞けば、やはりいまでも目の色変えて反対する住民も少ないとはいえず、清掃という事業や職業に偏見を抱く者もないとはいえません。


「ごみ問題に関心がある」という回答が8割を超えたある調査結果と現実との間には、ある程度の乖離があるのも確かなのでしょう。


しかし、それでも私は、こうした世論調査で現われる結果こそが、むしろ現実に最も近い状況を表わしていると思っています。


大多数の住民は、実際にごみの出し方に気を配り、分別収集に協力する一方、公共地に空き缶の投げ捨てをしているわけではないのです。


ごみ問題を理解する人びとが増え、処理施設の建設に、条件さえ認められれば反対しない住民の方がいまや多数派なのです。

中国の政治 5

天安門事件で、党の命令に忠実に従った人民解放軍は、文革当時のように政治の実権奪取に進出することなく、本来の国防任務に戻りつつありました。


最近の『解放軍報』は、政治教育よりも軍事訓練の重要性を強調する記事が目立つようになってきました。


北京市内の治安は、人民武装警察隊を含む警察力で維持され、軍が街角に立つことはなくなりました。


地方紙によれば、「漸江省の某国営工場では警察用の催涙弾とゴム弾が、国家の品質基準をパスした」とあります。


天安門事件の教訓をもとに、実弾を使わずにデモを解散させるための装備システムが整備されつつあるようです。


中国は冷戦体制の終息に伴い、軍事戦略の再調整を行っています。


その重点は、「核威嚇戦略」と「積極防御戦略」の2本足の戦略です。


中国の政治 4

80年代のような強力な威信を持ちえない中央指導部が各階層や地方の調整に追われ、戦略立案ができないままリーダーシップを発揮できず、権力の真空地帯が生じる危険性も否定できません。


また、世界銀行・IMF(国際通貨基金)など国際金融体制に中国がすでに組み込まれていること。


さらに香港・台湾にすでに「一国家二制度」の柔軟な約束を与えていることも、ある意味では90年代の中国指導部の路線選択の余地を少なくしているといえるでしょう。


経済発展の潜在力に富み、外交面でもそれなりに安定した環境を確保してきた中国。


しかし、国際環境も、必ずしも順風満帆ではありません。


米中関係も含めた西側との関係は完全に修復したとは言い切れませんし、アメリカ経済が衰退に向かえば中国の対米輸出の大幅な黒字への非難が強まることも懸念されます。


そして、北を見ればロシア・東欧との関係は、イデオロギー抜きで一応の安定は確保されたものの、民族紛争などが拡大すれば国境が再び不安定になりかねません。


また、西側からの投資の導入についていえば、ロシア・東欧は中国にとっての手強いライバルでもあるのです。


さらに、東や南を見れば、NIES(新興工業経済地域)は貿易・投資の誘致の面で一方では中国の競争相手になっています。


中国から見れば、日本の政治大国化や台湾の「独立意識」の高まりも潜在的脅威でしょう。