新しい理念 3
フォードの自動車哲学は、単なる金儲けにあったのではなく、農民の労働軽減であり、また富める階級のための奢修品としてではなく、一般大衆のための実用品としての自動車を提供することなどにあったのです。
・・・これらのことから新しい消費・需要あるいは製品・商品を創造し、開発していくには、つねに新しい理念が必要であるとがわかります。
「消費は消費なり」という格言は、"経済活動の目的は消費であり、生産はあくまでも手段にすぎない"ことを意味しています。
そして日本あるいは日本人はこの目的と手段の関係を、取り違えてきたことについては、さまざまな視点からこれまでにも何度となく触れました。
・・・しかしこの目的と手段の取り違え、主客転倒は、消費=生産の関係だけでなく、日本の貿易行動と日本がつくり上げた産業構造との関係にもみることができるのです。
天然資源に乏しく、加工貿易に頼らざるを得ない日本は、世界の中で自由貿易体制の恩恵を最大限に受けている国の一つであることには間違いありません。
もし自由貿易体制が崩れ、世界の各国が保護貿易主義に走ると、日本はたちまち経済的に沈没してしまう。
したがって日本がそれを防ぐ唯一の方法は、貿易相手国を保護貿易体制に追い込まないで、自由貿易体制を堅持することなのです。