新しい理念

新しい商品をつくるには、そこには新しい理念が必要とされるからです。


経済の歴史をひもとけば、そういう事例にはこと欠かないのです。


現在、日本の書店の店頭にもある「クックの旅行案内」という旅行ガイドの本は、イギリス産業革命が華なやかりし19世紀後半、バプティスト派の牧師だったトーマス・クックが考え出した旅行斡旋業からスタートしたものです。


この旅行斡旋業をはじめたのが、ホテルでもなく、鉄道会社でもなく、牧師であるところに大きな意味があるのです。


当時のイギリスは、どうにか労働者の労働時間も土曜日は半ドンになり、日曜日は休日になりつつある時代でした。


そして教会では、日曜日には、日曜学校のピクニックを毎週やっていましたが、クックはどこへ行くか調べるのは大変面倒だと気がついて、旅行案内をつくることを考えついたのです。


しかしクックが、旅行業者のはしりになったのは金儲けが動機ではなかったのであって、日曜学校のピクニックを普及することにあったのです。


19世紀後半では、旅行代理業というのは超最新商写あったことは間違いないですが・・・


この商品がホテルや鉄道会社のような金儲けを動機とするものからではなく、ただ日曜学校の行事を盛んにしたいという一人の牧師の理念から誕生したことを忘れるべきではありません。

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